原マルチノ

[原マルチノの肖像]
副使原マルチノ 1569(永禄12)頃〜1629.10.23(寛永6.9.7)

 肥前波佐見の出身。原中務の子。有馬セミナリヨに在学中、遣欧使節の

副使に選ばれる。他の使節たちに比べ健康に優れ、ラテン語の学力も一番

であったので、ヨーロッパからの帰途、87年6月3日にインドのゴアで

首席の伊東マンショにかわって、巡察使ヴァリニァーノに対しラテン語

による謝辞を述べた(この謝辞は 『原マルチノの演説』 として活字による

印刷物となった。本特別展で公開中)。また洋式活字印刷の技術を身につ

けており、帰国後はキリシタン版の刊行に貢献した。08年には長崎で司祭

に叙階されたが、14年に追放されてマカオに至り、同地で死去した。