ご挨拶

 筑波大学は、本年、開学40周年を迎えました。その前身校の歴史は、さらに141年前の師範学校の開校にさかのぼります。附属図書館では、これを記念して、 「知の開拓者パイオニアたち―筑波大学開学40+101周年記念特別展―」を開催いたします。

 筑波大学附属図書館は、前身である東京教育大学附属図書館の蔵書を引き継ぎ、1973年に設置されました。現在は、中央図書館、体育・芸術図書館、医学図書館、図書館情報学図書館、大塚図書館(東京)からなり、和洋書約250万冊、和洋雑誌約2200種、電子書籍約1万9000点、電子ジャーナル約2万3000種、さらに機関リポジトリであるつくばリポジトリにより約2万9000件のコンテンツを提供しております。また、ネットワークを介した図書館利用のための電子図書館システムの提供、各種の学習機能を提供するラーニングスクエアの設置、図書館職員に加え、図書館ボランティア、ラーニングアドバイザーを配置するなど、様々な利用者の要求に対応しております。

 筑波大学は開かれた大学をその基本的性格としておりますが、附属図書館においても、学生はもちろん学外の多くの方々にご利用いただけるよう様々な取り組みを行っております。特別展はその一つであり、これまでも学内組織の協力を得つつ、本学が所蔵する貴重書、和装本、古地図などを広く公開してきました。昨年度は、 「明治時代に礼法はいかにして伝えられたか―出版メディアを中心に―」と題して、礼法教育に用いられた各種資料を展示し、好評を博しました。

 開学40周年を記念して行われる今回は、研究開発室・人文社会系の山澤学先生のご指導のもとに、東京教育大学以前の前身校に焦点をあて、図書館に深い関わりを持つ三宅米吉、松井簡治、諸橋轍次、能勢朝次先生を中心に、近代日本における学問の最先端にあった前身校教員の業績の一端を、附属図書館所蔵の資料とともに紹介しております。また、あわせてそのような知の開拓者たちを支援してきた大学附属図書館の果たすべき役割についても再確認する内容となっております。

 附属図書館特別展は、本学に蓄積された豊かな「知」を積極的に内外に向けて発信する、という附属図書館の取り組みの一つです。是非とも多くの方々にご高覧いただければ幸いです。

平成25年10月
附属図書館長 中山 伸一