其の十ニ 斎鉾(いみほこ) 3本の内1本

斎鉾(其の十一)のうち宝剣の斎鉾です。この後ろに祭鉾(まつりぼこ)4本が続いたはずですが,この絵巻物では省略されています(四月御祭礼では8本繰り出します)。祭鉾は,斎鉾と同様に,先端に鉾1本を付け,細長い旗を下げた棹を立てる祭器で,日光神領の村々の百姓が務める白張(しらはり)のうち4人が担ぎ,もう1人が支えます。これらの鉾は,天皇の即位礼のさい,紫宸殿の庭上に建てられる旙(ばん)に似ており,徳川王権のシンボルであったと考えられています。(10月15日公開,22日加筆修正)