慈雲尊者と悉曇学 : 平成22年度筑波大学附属図書館特別展
JIUNSONJA TO SHITTANGAKU
自筆本「法華陀羅尼略解」と「梵学津梁」の世界
会期
- 平成22年10月4日(月)-10月29日(金)
- 平日 9:00-17:00
- 土日祝 10:00-17:00
- ※10/16(土)、10/17(日)は閉室
特別講演会
- 「慈雲尊者と悉曇学」
- 10/10(日)13:30-15:30
- 講師 秋山学(大学院人文社会科学研究科准教授)
■図録(PDF 8.7MB)
■展示ブログ
特別展へようこそ
江戸時代中・後期、河内国高貴寺を中心に活動した慈雲尊者飲光(1718?1804)は、正法律運動、雲伝神道の創設、純朴精粋なその書風をもって知られるとともに、わが国における梵字悉曇学のアーカイヴ「梵学津梁」全一千巻の編纂により、学徳兼備の名僧と謳われました。
本特別展では、これまで著作として確認されていなかった慈雲最晩年の著書『法華陀羅尼略解』の自筆本(1803 年)を公開するとともに、筑波大学附属図書館所蔵の悉曇・梵学関係書目をもとに、「梵学津梁」を構成する諸書計三十数点を展示し、江戸時代に至る 悉曇学の足跡を辿ります。
展示内容 展示資料リスト
- 慈雲の筆跡 ─書家としての慈雲─
- 『法華陀羅尼略解』『梵学津梁略詮阿字部』『五十字門説』
- 慈雲の軌跡 ─正法律師・悉曇学者・密教行者としての慈雲─
- 『方服図儀』『悉曇字記聞書』『普賢行願讃的示』『大楽金剛薩?修行成就儀軌』など
- 慈雲の宇宙 ─「梵学津梁」の写本類─
- 『成就吉祥儀』『唐梵雑名千鬘畫引』『梵學津梁廣詮天象部』など
- 悉曇学史の金字塔「梵学津梁」 ─梵学史を辿る─
- 『唐梵文字』『梵語雑名』『悉曇字記』『悉曇蔵』『悉曇要訣』『韻鏡』『悉曇三密鈔』など
新資料『法華陀羅尼略解』について
筑波大学附属図書館中央図書館所蔵(和装古書ハ320?59)の『法華陀羅尼略解』は、慈雲の特徴的な筆致によって記されています。巻末には「享和癸亥三月四日小子記」とありますが、これは享和3年(1803 年)を意味し、慈雲の没年(1804 年)の1年前に当たります。慈雲が好んで用いたK??yapa(飲光)の梵字表記、臘六十四/行年八十六との記載などから、間違いなく慈雲の真筆です。従来、慈雲の著作としては、享和3年2 月24 日に校了を見た『理趣経講義』が最晩年の主著とされてきました。今回公開する『法華陀羅尼略解』はそのおよそ10 日後に完成したことになり、慈雲晩年の活動のあり方に新たな光をもたらすものです。
- 主催 筑波大学附属図書館/大学院人文社会科学研究科
- 会場 筑波大学附属図書館(中央図書館貴重書展示室)
- お問い合わせ 筑波大学附属図書館古典資料担当 TEL:029-853-2376
(c) 筑波大学附属図書館
Last updated: 2016/07/19