慈雲尊者と悉曇学 : 平成22年度筑波大学附属図書館特別展

JIUNSONJA TO SHITTANGAKU

自筆本「法華陀羅尼略解」と「梵学津梁」の世界

特別展は終了しました。多数のご参加、ありがとうございました。
平成22年度筑波大学附属図書館特別展ポスター

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特別展へようこそ

 江戸時代中・後期、河内国高貴寺を中心に活動した慈雲尊者飲光(1718?1804)は、正法律運動、雲伝神道の創設、純朴精粋なその書風をもって知られるとともに、わが国における梵字悉曇学のアーカイヴ「梵学津梁」全一千巻の編纂により、学徳兼備の名僧と謳われました。

 本特別展では、これまで著作として確認されていなかった慈雲最晩年の著書『法華陀羅尼略解』の自筆本(1803 年)を公開するとともに、筑波大学附属図書館所蔵の悉曇・梵学関係書目をもとに、「梵学津梁」を構成する諸書計三十数点を展示し、江戸時代に至る 悉曇学の足跡を辿ります。

展示内容

  1. 慈雲の筆跡 ─書家としての慈雲─
  2. 慈雲の軌跡 ─正法律師・悉曇学者・密教行者としての慈雲─
    • 『方服図儀』『悉曇字記聞書』『普賢行願讃的示』『大楽金剛薩?修行成就儀軌』など
  3. 慈雲の宇宙 ─「梵学津梁」の写本類─
    • 『成就吉祥儀』『唐梵雑名千鬘畫引』『梵學津梁廣詮天象部』など
  4. 悉曇学史の金字塔「梵学津梁」 ─梵学史を辿る─
    • 『唐梵文字』『梵語雑名』『悉曇字記』『悉曇蔵』『悉曇要訣』『韻鏡』『悉曇三密鈔』など

新資料『法華陀羅尼略解』について

 筑波大学附属図書館中央図書館所蔵(和装古書ハ320?59)の『法華陀羅尼略解』は、慈雲の特徴的な筆致によって記されています。巻末には「享和癸亥三月四日小子記」とありますが、これは享和3年(1803 年)を意味し、慈雲の没年(1804 年)の1年前に当たります。慈雲が好んで用いたK??yapa(飲光)の梵字表記、臘六十四/行年八十六との記載などから、間違いなく慈雲の真筆です。従来、慈雲の著作としては、享和3年2 月24 日に校了を見た『理趣経講義』が最晩年の主著とされてきました。今回公開する『法華陀羅尼略解』はそのおよそ10 日後に完成したことになり、慈雲晩年の活動のあり方に新たな光をもたらすものです。

(c) 筑波大学附属図書館


Last updated: 2016/07/19