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『女歌仙新抄』、忘れられていた稀本
展示番号24番の『女歌仙新抄』(おんなかせんしんしょう)は、浮世絵の祖ともいわれる菱川師宣の画がふんだんに楽しめる本です。女流歌人の歌仙絵とともに、注釈と歌の意味を表した絵を付しているところが、鎌倉時代からの伝統を踏まえながらも、江戸時代の雰囲気が感じられるところです。

当館では貴重書には指定されず、いわば「忘れられていた本」でしたが、今回の企画展のネタ元である過去の利用申請書を探っていたところ、『天理図書館善本叢書 師宣政信絵本集』刊行の際に、天理図書館本の落丁補完のため当館所蔵本の画像が使用されていたことがわかり、再発見されました。
なんと、当館と天理図書館にしか現存しない本なのです。



当館本は刊記(今の本でいう奥付)がないため、OPAC(蔵書目録)で「出版年不明」とされていたのですが、天理本の刊記から天和2 (1682)年と推定することができました。

ところで、この本は東京教育大学時代まで使っていた旧分類(ル218-17)の本ですが、昭和9(1934)年発行の前身校目録『東京文理科大学附属図書館和漢書分類目録』にはありませんので、それ以降に蔵書になったものです。

「図書原簿」という事務用の図書管理簿が残っているはずですので、倉庫に行って探してみたところありました!



下から4行目です(「208164」という前身校の登録番号が本自体に記入してあり、この番号で探せます)。

ここには、「天和二年 江戸板」とも書かれています。購入先の古書店からの情報でしょうか?
江戸版とすれば、天理本の刊記に「山形屋」とともにある山形の商標の一部が、江戸通油町にあった山形屋市郎右衛門のものと似ている感じです。今回は確証がないため出版地の推定を見送りましたが、専門の方にご判断いただきたいところです。(oz)
| 筑波大学附属図書館展示WG | 11:57 | comments (0) | trackback (x) | - |
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