号けたり海河の物一ツとして水の浸(ひた)
さゞるはなく陸地の物一ツとして空
気の包まざるはなし気を扇て
風の起るは水を擾(みだ)して波立と同
じ人の呼吸(いき)するは空気を吸ひ
空気を吐く者にて魚の水を呑
み水を吐くと異なることなし魚は
水と離るれは死し人は空気
と離るれば死す空気なければ
禽獣草木も生を保つ事能はず
空気は色なき物の如くな
れども其性青し天の青きは
空気の重なるゆゑ也水も深
淵は青くこれを器に盛れは
色なきが如し