「杉の生育方」

「杉の生育方」の図
杉は陰地(いんち)を好(この)めば日當(ひあた)

(あし)きところ北請(きたうけ)の山の片下(かたさが)

(たに)の底(そこ)湿氣深(しつけふか)き所などへ

植付(うゑつけ)てよし一日の中(うち)に二時(ふたとき)

三時の間日あたれば必(かなら)

生育するなり植付(うゑつけ)てより

二三年にして下枝(したえだ)を下(おろ)し薪(たき)とし

十二三年立(たち)て抜切(ぬきぎり)をなし

*木(たるき)とする

二十年

(たて)

一尺七八寸より

二尺まはりとなる

三十年(ねん)めには二尺(しやく)五寸

三尺まはりとなる

大体(たいてい)一年に一寸の割(わり)

成長(せいちやう)するとぞ


杉苗(なへ)

植付る

下枝(したえだ)をおろし

たきゞとする

抜切(ぬきぎり)をして

*木(たるき)と為(な)



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