十八〔鬼瓦〕十九〔樋づくり〕二十〔壁板の渋ぬり〕

(宮へ950-196)

十八〔鬼瓦〕十九〔樋づくり〕二十〔壁板の渋ぬり〕の図
十八

家根(やね)じつくゐとて瓦(かはら)のすき

を雨(あめ)のまわらぬよふにねる

も左官(さくわん)の仕事(しごと)なり鬼瓦(おにかはら)

(この)みにて家号印(やごうのしるし)又は紋所(もんところ)

なぞ差別(さべつ)あり


十九

とゐといふて

(き)にてくりたるも

あり大(たい)ていは大(あふ)

なる竹(たけ)をふたつ割(わり)

にしてふしぶしをよく

けづりのきさきへはり

がねにてとめるしぜん

家根(やね)より落(おち)る雨水(あめみづ)

うけるためなり


二十

(しぶ)ぬりは家(いへ)のそと

まわりを好(この)みに随(したが)

生渋(きしぶ)又ははい墨(ずみ)を入(いれ)

ぬるも雨(あめ)のしぶきか

かりても木のくさらぬ

ためなり

此外塗家土蔵造(このほかぬりやどそうつくり)など

品々其人(そのひと)の好(この)みあれども

此職方(しよくがた)にて出来(でき)るゆへ此篇

までにて家造りの一通りをしる也



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