うへ縁側先(ゑんがはさき)へ手洗(てあらひ)水の
流(なか)しなどをつけるを
はち前(まへ)といふて是(これ)を
植木屋か作(つく)る図(づ)
庭(には)は好(この)みに
よりて色丶(いろいろ)工風あり
左官(さくわん)の上塗(うはぬり)といふは
仕揚(しあげ)仕事なり是(これ)も
人々の好(この)みに随(した)がひ
根岸(ねぎし)の土又は砂(すな)へ
いろいろの絵の具(ぐ)を交(まぜ)
あわせつのまたにて
ねばりをとり塗(ぬる)なり
其外しつくゐといふは
牡蠣(かき)の貝(かひ)の焼(やき)たるを
製(せゐ)したる
粉(こ)なり