とて美濃(みの)より出(いづ)る紙(かみ)なり是(これ)
にもはん草(くさ)といふて紛(まか)へる紙(かみ)あれ
ども本艸(ほんくさ)をよしとするゆへは美濃(みの)の
みたらしの水(みづ)にてすくゆへ美濃紙の
事(こと)を御手洗(おてあら)ひともいふなり先紙(まづかみ)の
曲(まが)りをみてはぢをたちおとしせうふ
のりにて紙(かみ)をつきあわせ障子(せうじ)を張上(はりあげ)る
なり
又襖(またふすま)を俗(ぞく)に唐紙(からかみ)といふ
是(これ)を張(はる)にはまづ反古紙(ほうごかみ)
にて骨(ほね)しばりといふて下(した)
ばりをいたし其(その)上へ袋(ふくろ)張
といふて紙(かみ)の三方(さんぼう)へのりを
つけなぞへに三べん
又は四へんもはりまた
白紙(はくし)にて上紙(うはかみ)下を二へ
んべた張(はり)をいたし其
上へうはばりをする
なり
上張紙(うははりがみ)は其(この)好みにしたが
い有間唐紙(ありまとうし)ぐわん石(ぜき)唐紙
まに合唐紙(あひどうし)雁皮帋(がんひし)其外
色々あり引手ふちなどは同く是に順(しゆん)ずなり
此図は張付といふて
天井座敷にかべを
張たてる
ところ