第四〔経師屋〕

(宮へ950-196),(宮へ950-197)

経師屋の図
第四

経師(きやうじ)の障子(せうじ)を張(はる)には美濃紙(みのかみ)

とて美濃(みの)より出(いづ)る紙(かみ)なり是(これ)

にもはん草(くさ)といふて紛(まか)へる紙(かみ)あれ

ども本艸(ほんくさ)をよしとするゆへは美濃(みの)

みたらしの水(みづ)にてすくゆへ美濃紙の

(こと)を御手洗(おてあら)ひともいふなり先紙(まづかみ)

(まが)りをみてはぢをたちおとしせうふ

のりにて紙(かみ)をつきあわせ障子(せうじ)を張上(はりあげ)

なり

又襖(またふすま)を俗(ぞく)に唐紙(からかみ)といふ

(これ)を張(はる)にはまづ反古紙(ほうごかみ)

にて骨(ほね)しばりといふて下(した)

ばりをいたし其(その)上へ袋(ふくろ)

といふて紙(かみ)の三方(さんぼう)へのりを

つけなぞへに三べん

又は四へんもはりまた

白紙(はくし)にて上紙(うはかみ)下を二へ

んべた張(はり)をいたし其

上へうはばりをする

なり

上張紙(うははりがみ)は其(この)好みにしたが

い有間唐紙(ありまとうし)ぐわん石(ぜき)唐紙

まに合唐紙(あひどうし)雁皮帋(がんひし)其外

色々あり引手ふちなどは同く是に順(しゆん)ずなり

此図は張付といふて

天井座敷にかべを

張たてる

ところ



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